「業務を効率化したい」というご相談は多いのですが、いきなり「基幹システムを作りましょう」と なることはほとんどありません。大きく作るほど、費用も、失敗したときの痛手も大きくなるからです。 中小企業や個人事業の場合、まず小さく始めて、効果を確かめながら広げていくのが現実的です。 この記事では、その「最初の1つ」をどう選ぶかを説明します。
ステップ1:手作業を書き出す
まず、毎週・毎月くり返している手作業を、思いつくままに書き出します。粒度は粗くて構いません。
- 問い合わせメールを見て、Excelに転記する
- 請求書をテンプレートから作って送る
- 複数のシートを見比べて、在庫や予約の状況を確認する
- 毎週◯曜日に、売上をまとめて報告する
- 申込フォームの内容を、別のシステムに入力し直す
ステップ2:2つの軸で点数をつける
書き出したそれぞれに、次の2軸で1〜3点をつけます。
効果:自動化すると、どれくらい時間・ミスが減るか(回数 × 1回あたりの手間)
着手しやすさ:ルールが決まっているか、扱うデータがそろっているか、例外が少ないか
「毎日やっていて、ルールがはっきりしている作業」は、両方とも高得点になります。 逆に「たまにしか発生しないが、そのたびに判断が要る作業」は、自動化してもコストに見合いません。
ステップ3:右上から着手する
効果が高く、着手もしやすいものが「最初の1つ」です。多くの場合、次のどれかになります。
| 作業 | よくある解決策 | 目安 |
|---|---|---|
| 問い合わせの記録・通知 | フォーム → スプレッドシート → メール通知(GAS) | 5万円〜 |
| 定型書類の作成・送付 | 明細シート → PDF自動生成 → 送信(GAS) | 5〜10万円 |
| データの突き合わせ・集計 | 集計・チェック用のツール(GAS または簡易システム) | 5〜15万円 |
| 申込内容の一元管理 | 入力・検索できる小さな業務システム | 15万円〜 |
やってはいけないこと
- 最初から全部つなげようとする。 1つ動かして効果を確かめてから広げます。
- 例外処理を全部作り込む。 8割を自動化し、残りは人が対応、で十分なことが多いです。
- 現場に使い方を渡さないまま納品する。 手順書と、簡単な設定変更の方法はセットです。
迷ったら、棚卸しだけでも
「どれから手をつけるべきか分からない」段階のご相談も歓迎しています。 ITコンサルティングでは、業務の流れを一緒に書き出して、 効果と着手しやすさで並べ替えるところまでをお手伝いします。開発に進まない結論になっても構いません。